LINEとTetherが提携、アジアでUSDT決済と報酬機能を提供開始
暗号資産業界の大手であるTetherは、韓国発の人気SNS「LINE Messenger」との提携を発表し、Kaiaブロックチェーン上でUSDTステーブルコインの提供を開始しました。この取り組みにより、LINEの月間1億9600万人以上のユーザーが、アプリ内でUSDTを使った決済や報酬獲得、DeFi(分散型金融)への参加が可能になります。
TetherのCEO、パオロ・アルドイノ氏は今回の発表に際し、「LINE NEXTのブロックチェーンインフラにより、2億人を超えるLINEユーザーが日常生活の中で簡単にデジタル資産と関わることができるようになる」とコメントしました。USDTは、LINEの「Mini Dapps」や自己管理型ウォレットと統合される予定で、よりシームレスな体験が実現されます。
この提携によって、ユーザーはLINEアプリ内でタスクを完了することでUSDT報酬を得たり、友人間でUSDTを送受信することができるようになります。デジタル経済の広がりとともに、安定した価値を持つステーブルコインの利用がより身近な存在となってきました。
Kaiaブロックチェーンは、LINE NEXTが構築したWeb3インフラの中核を担っており、既にいくつかのDApps(分散型アプリケーション)が展開されています。今回のUSDT統合は、Kaia上でのエコシステム拡大にとっても重要なステップといえるでしょう。
また、この動きはTetherが米ワシントンD.C.でロビー活動を強化している中での発表となります。プロクリプト姿勢を取るトランプ前大統領の影響もあり、規制に対する期待感が高まっています。Tetherは2025年末までに米国ベースの新たなドル連動ステーブルコインをローンチする計画を明かしており、規制状況次第では2026年初頭にも実現するとされています。
今回のLINEとの提携は、Tetherにとってアジア市場での存在感をさらに高める大きな一歩となるでしょう。ユーザーにとっても、より安全で利便性の高いデジタル資産体験が日常生活に組み込まれていく時代の到来を示しています。