ソラナ・ミームコイン戦争勃発:Pump.fun 2.0 vs Moonshot、スピードとシンプルさの真っ向勝負
2025年6月27日、ソラナチェーンを舞台に、ミームコイン市場の覇権をめぐる壮絶な戦いが火蓋を切った。ソラナベースのミームコインプラットフォーム「Pump.fun」が、長らく待たれていた「2.0アップグレード」を発表し、超高速取引を求める"degen"トレーダー向けの機能を一新。しかしそのわずか1時間後、ライバルの「Moonshot」が、Apple Payで簡単にトークンを作成できる「Moonshot Create」を発表し、一般層(ノーミー)をターゲットに対抗策を打ち出した。
Pump.fun 2.0では、「Movers Feed(リアルタイム急騰銘柄表示)」「ワンタップApe(即購入機能)」「トレンドニュースダッシュボード」などを導入し、秒単位での意思決定を可能に。4月だけで112億ドルの取引高を記録した同プラットフォームは、まるで"生存戦略"として高速取引に特化することで、ハイフリーケンシートレーディングに近い体験を提供している。
一方のMoonshotは、ミームコインの「民主化」を掲げ、ノーコードで3タップによるトークン作成が可能に。Apple Payとの統合で、従来のDEXに抵抗を感じていた層にも訴求し、2024年の4,000人/日から2025年には2,000万人/日という驚異的なユーザー成長を遂げている。さらに、Jupiterによる買収で得た流動性と知名度が、Moonshotを一大勢力へと押し上げた。
Pump.funは5月に導入した「50%収益シェア」モデルで、トークンクリエイターが長期的に関与する仕組みを構築。過去には"rug pull"(詐欺的な資金抜き)の温床とも言われたが、取引ごとに0.05%が開発者に還元される仕組みにより、より健全なエコシステムの構築を目指している。
Moonshot側もセキュリティ強化をアピールし、監査済みのスマートコントラクトを武器に透明性を強調。ただし、実際の監査証明の提示が不足しているという批判もあり、Pump.funのようにBubblemapsでクジラ保有を可視化するなど、完全な信頼構築には至っていない。
両者とも未だに「ポンプ&ダンプ」問題を完全には解決できておらず、市場の混乱は続く。しかし、Pump.funが60,000ドルの時価総額でDEX上場可能なのに対し、Moonshotは500 SOL(約73,000ドル)を要求するなど、上場プロセスの違いにも戦略的な意味合いがある。いずれにせよ、スピード vs シンプルさの対決は、2025年のミームコイン業界の方向性を大きく左右することになりそうだ。