仮想通貨スタートアップが週内で7.4億ドルを調達、インフラと機関向けプロジェクトが牽引

2025年6月22日から28日にかけて、仮想通貨スタートアップは合計17件の資金調達で7億3,950万ドル(約1,170億円)を集め、ここ数ヶ月で最も活発な資金流入の週となりました。特にインフラストラクチャーと機関投資家向けプロジェクトがこの資金調達ラッシュを主導しました。

今週最大の資金調達を行ったのは、規制下の予測市場取引所「Kalshi」で、シリーズCラウンドで1億8,500万ドルを調達し、評価額は20億ドルに達しました。このラウンドにはParadigm、Sequoia、Multichain Capitalが参加しており、同社の累計調達額は2億1,515万ドルとなりました。

続いて、ビットコインマイニングを手がける「Bit Digital」が1億5,000万ドルを調達。カナダ、米国、アイスランドでのマイニング事業に注力しています。一方、機関向けのレイヤー1ブロックチェーン「Canton Network」も1億3,500万ドルを調達し、累計で3億9,720万ドルの資金を確保しました。出資者にはDRW Venture Capital、Tradeweb、BNPパリバなどが名を連ねています。

DeFi領域でも注目すべき動きがあり、「World Liberty Financial」が1億ドルの資金を獲得。合計調達額は7億1,500万ドルに達し、DeFi、イーサリアムエコシステム、レンディング/ボローイング、イールドアグリゲーターなどに焦点を当てたプロジェクトを展開しています。

暗号インフラとプライバシー技術を融合した「Zama」も、シリーズBラウンドで5,700万ドルを調達し、評価額は10億ドルに到達しました。PanteraとBlockChangeが出資し、同社は最先端の完全準同型暗号(FHE)技術を開発しています。

AIを活用したHR/PEOプラットフォーム「Niural」もシリーズAラウンドで3,100万ドルを調達し、Marathon DigitalやInspired Capitalが出資しています。仮想通貨業界における人的資源管理ソリューションへの関心の高まりを反映しています。

今週の資金調達の活発さは、ブロックチェーン業界に対する投資家の信頼回復と、インフラ・制度化の進展を象徴しています。特にインスティテューショナルグレードのサービスやDeFiプロジェクトへの資金集中は、2025年下半期に向けた市場の成長に明るい兆しを与えています。